日記

2021-07-27 11:06:00

帯には帯の物語

何人かの友達から、要らない帯を使ってほしいと言ってもらっている。

有り難い!

私の帯バッグづくり、知られてきたのかな?

 

こうなると、いい加減な物は作れない💦

提供してくれた人をガッカリさせたくないし、

帯を台無しにしたのでは、帯と帯を作ってくれた人にも申し訳ない。

 

だから、おいそれとはハサミは入れられない。

帯から、素敵に変身したイメージが立ち上ってくるのをひたすら待つ。

タンスで眠ってもらって、時々出しては、眺め、撫でてみる。

 

たまに、5本に1本くらいか、見たとたんにイメージがわいて、待っていたように作りたくなるものもある。

昨日は、そんな帯の由来を聞く機会があった。

かなりのブランド品で希少価値があって、それを持っていた人がどんな思いで友人に託したかを知った。

う~ん、初めにそれを聞いていたら、ハサミを入れる手が止まっちゃったかもな~・・・

 

それを持っていた人は、若くして病に倒れ今は亡い趣味人だったそうです。

その帯を締める日を夢見て闘病の末、一度も締めることなく逝ってしまったのです。

 

私の思い残しは、あの帯には一度でも誰かの背中を飾ってもらいたかったなぁ、というところ。

 

その後で、バッグづくりの私としては、やはりこのデザインで作るかな。

secret color.jpg

 

 

このバッグはまだ手元にありますが、これを見た人が、持ち手も帯地で同じ形を作ってほしいとオーダーしてくれました。

そしてできたのがこれ

↓ ↓ ↓

トート蝶の夢バケツ.JPG

素敵でしょ?!

最初のよりいいかも(苦笑)

Simple is best.

オーダー受けると、すごい勉強させてもらうんです、いつも。

 

二つ目のバッグは、晴れてひきとられていったので手元にはありません。

長い帯でも、もう同じものは作れません。

いろんな物語を体験して、私の手元に届いた帯が、バッグに変身して新しい旅に出る。

私にとっても、帯一本ずつ、バッグ一つ毎の一期一会。

だから、最善を尽くすのは当然(^_-)-☆

 

今日の言葉:後悔のない人生を送るには、いつも最善をつくすこと