日記
お雛様修理
気軽に引き受けたお雛様の修理
一年近く、頭の片隅で
デザインなどしていたつもりだったのに
いざ、作業に入ってみたら
思いがけないことばかりの連続
実は、初めから、目の前のお雛様のセンスがつかめなかった💦
それでも引き受けてしまったのは、
依頼主の
「どうしてくれてもいい」
の一言
うかつにも、自分に「どうにかできる」とうぬぼれてしまった(/ω\)
アレコレイメージして、絵も描いてみて
必要と思われる部品や道具、材料など揃えて
では、と、改めて彼女(お雛様)の前に座り
「では、よろしく。可愛くしてあげるね」
そうしてしばらく眺めていたら、
その、存在感とでもいうものに
圧倒されてしまった
手に負えない、というより、手が届かない
別世界の存在
厳然と立ちはだかる別世界を前に圧倒され、弾かれてしまった。
着物も、頭の大げさな飾りも、扇も、時代を思わせる異質なセンスの上、
長い時間の経年劣化も激しくて触るのも怖い。
私の持っていた7段のお雛様より圧倒的に大きくて
顔だちも全然違うし、頭の飾りも私には不可解
私のやったことは、
まず、そっくりな飾りがあったら、買って取換えようと、
ネットショップで、「お雛様、飾り、冠、パーツ・・・」
と検索。
出てくるものは、新しいタイプの物ばかりで、
ピンとくるものは皆無
次に、彼女の素性を洗おうと、また、ネット検索
探した末にやっと見つけた!
YouTubeで、紹介されていた。
日比谷家に伝わる「江戸の古今雛」
大きさ、顔だち、髪型、十二単らしき着物の様子もそっくり
頭の飾りもほぼ同じ
着物の裾の刺繍は全く同じ
うわー、単なる美的センスだけじゃなくて、
歴史的価値があるんだ~
持ち主の自由ではあるけれど、
私には、歴史の価値を捨てる勇気はありません。
歴史的証拠の遺棄も、ましてやこの手で破壊抹殺なんて人類に対する罪でしょう?
で、決めたこと
1 一切捨てない
2 修復不可能な直しはしない
3 過去の美意識、センスには触れないで、新しい付属品を作る。
こうすれば、いつでも修復可能だと思う。
すごく気が楽になって、楽しく冠つくりにとりかかれる。
これもネットを漁って、ペット用の金の冠を取り寄せました。
今、それを飾ってるんだけど、
これも、いつものように
試作、失敗、やり直しの連続
予想以上の時間がかかっている。
無駄にした材料も数知れず
おかげで、
没にした造花やビーズ作品で周囲が華やいでいる。
己を知らないと
実力以上の負担を負って苦しむことになる
でも、苦しんだから、己が分かった。
余計な飾りで明るい部屋になった。
手仕事の細かい技とか、材質については
多くの発見があった。
さらに、お雛さまって、彫刻や他の人形と違い、
正面から見るだけなので、
二次元(平面)的な美しさを大事にしている!!
だから、冠がやたら左右に大きく張り出しているんだ。
ナポレオンの帽子のかぶり方と同じね(^_-)-☆
余談ながら、ナポレオンがみんなと違うかぶり方をしたらしいんだけど、
あの人、絵とか鏡映りとかを気にしたんじゃない?
というわけで、苦労に無駄はないのかも。
今日の言葉:生きてる=新しい体験=成長